【読書】「大人の発達障害」をうまく生きる、うまく活かす

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感想

発達障害ある方の人生の目標は、障害特性をなくすことではなく、「その特性をもっても生きづらさが浮上しない生活を構築すること」
生きるということは、常に難しさと向き合うことで、しかし、それでもささやかな成功体験があることで、僕たちは、小さな達成感と生きがいを感じ、明日を信じることができるようになるのです。

考え方の順序

①:生きづらさの原因(自分にとって苦手なこと)は何かを認識する。
②:苦手なこととの向き合い方を考え、避けられるのであれば避ける。
③:適性を活かす場所で生活する。
ただし、適性は自分で見つける。探す。

人の成長を妨げてしまう最大の要因は、自己否定感を持つことにある。
課題に対して真摯に向き合っているのであれば、努力不足が原因ではない。そう感じてはいけない。
見返してみると「さあ、才能に目覚めよう」でも同じことを書いていた。

社会システムのヒエラルキーに無理して入る必要は無いと思う。逆にその方が実力を出せて結果的に社会貢献できることもある。
見極めが難しいのは苦手だから出来ないのか、怠慢(なまけ)でやらないのかだけど、私の考えでは双方がリンクしている場合も多いと思う。課題に対して真摯に向き合っているかどうかは、姿勢を見ればすぐに分かること。
発達障害の傾向があるって決して悪いことじゃない…というか特定の才能に溢れている証。

才能が社会に埋もれてしまうのは単にもったいない。歴史上の偉大な人物もそう。花神の大村益次郎もアスペルガー。最近読んだ「殿、利息でござる!」の作者、磯田道史さんも喋り方からしてどうみてもADHD。飲み食いをせず没頭して作業をしていて倒れて救急車で運ばれた経験があるらしい。

私は典型的なPDD。マルチタスクが苦手で、3人以上と会話するのができない。自分の感情を言葉にするのが苦手。最近になってようやくこの自分で良いのだと思えるようになった、読書のおかげ。

社会に適合できない部分もあるけど、それを認識した上でどう関わりを持つか。自分の才能を伸ばすか、また他者の才能を活かすか。
才能に関する良書であったので、発達障害と縁のない方でも是非ご一読を。