あらすじ
過去のトラウマから高所恐怖症になってしまった元刑事が、ある人妻の身辺調査を続けるうちに彼女の奇異な行動に翻弄(ほんろう)されていくさまを描き出す。高所恐怖症や夢遊病といった心理学的な仕掛けをちりばめ、過去と現在を交差させた技巧を凝らした演出や、二つの役柄を演じ分けたヒロイン、キム・ノヴァクのなまめかしい美貌に魅了される。
感想
1958年公開。
ヒッチコックは2作品目。サイコより2年前の1958年の映画。ジャケットがかっこよすぎ…。冒頭から瞳とCGの描写、当時はビビっただろうな…。
キム・ノヴァクがヒロイン役。サイコでは、殺されたマリオンの妹役だったよね。そして、何よりも主演のジェームズ・ステュアートがかっこよすぎ。初老で哀愁ありすぎて、全員が惚れること間違いなし。
昔の映画だけど、ヒッチコックの映画は設定がしっかりしていて起承転結がちゃんとあるからめっちゃ観やすい。もしかしたら、今の伏線バリバリ張っていく商業映画とか、日常系のダラダラした描写を長く写す映画よりも観やすいかもしれん。
ヒッチコックの映画は「憑依」がテーマなのか?サイコでも本人の意思かは断定できないが、母親が息子に憑依していて。今回は、子供を亡くした祖先(カルロッタの悲しみ)が憑依している。(という設定だったのは、後でわかった)
木漏れ日が注ぐ神秘的な森林の中で、憑依する身体。非日常の見せ方が美しい。セコイアデンドロンの大木を前に、歴史が降り注いでくる感覚。今こういうシーンをカメラで撮ったらどうなるんだろうなぁ〜。オマージュしたらええのになぁ。
階段下を見ると引き込まれてしまう”めまいショット”はこの映画から生まれたらしい。奥さんが死んでから狂気が始まる。サイケデリックなカラーの反転と同時に、アニメーションも入ってる〜。背景の差し替えもあるし。狂気の演出やっべええええええ。チープだけど、逆にそれがめっちゃええ。カーテンバックの影の被写も美しいなぁ。照明効果だなん。
っえ???最後何?なんで飛び降りたの?理解不能。そして、最高。
星評価:★★★★☆