【映画】時計じかけのオレンジ

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あらすじ

舞台は近未来のロンドン。15歳の不良少年アレックスは、仲間とともにドラッグに溺れホームレスをリンチするなど、衝動的な暴力行為に明け暮れていた…。

感想

1972年公開。

キューブリック初体験作品。(フルメタルジャケットを見てたことに後で気づいた)

*物語

序盤から狂気、狂気、狂気の連続。
「欲望に近い人間」にしか描けない黒い表現があるのかもしれない。
無邪気な心の残酷さに寄り添った映画。
“無邪気さ”が今もエンタメを支えている。人間の原点はそこにある。
この映画を見て不快に感じる人もいて当然のことと思う。特に女性。

衝動を抑えるための治療。現代教育に通ずるものがあるな…と勝手に解釈。
人間が本来持っている狂気の黒い部分は封印するべきなのか。
狂気が近いとバランスが大事。狂気は表現のために持っておくべき。

後半は主人公より見てるこっちが吐き気を覚える。
罪を全て仕返しされ、悪ガキ仲間が警察になっているシーンも震えた。

脇役も最高だが、主役のマルコム・マクダウェルが半端ない。
1971年公開の映画だって?信じられない。今見てもヤバすぎ。ちっとも古びてないではないか。
SF好き、サブカル好き、シンセ好きにはたまらない傑作でした。

*映像

ストーリーよりもビジュアルで引き込まれて、釘付けだった。完全にやられた。
冒頭の不吉なシンセ音で始まり、クローズアップ一発で片目だけつけまつげをしている主人公(アレックス)の人間性を映し出し、ロングスパンで気味の悪い店でグッと画面の世界に引き込まれる。

*音楽

クラシック音楽を爆音で流して、スローモーションって技法は誰が始めたのだろう?
シンセBGMがとにかくいい。ナチスの映像流してるのに、矩形波が聴こえるとポップに見えるのはおもろい。音楽効果って絶大。
警棒で殴るとこのシーンは流石に笑ったけど。
電子音楽の作曲は、ウェンディ・カルロスという人らしい。
1968年にMoogでSwitched-On Bachを発表し、冨田勲が日本で初めてシンセを買うきっかけを与えたとかなんとか。

wikim見たら、アレックスが二度目に作家の家を訪れたときに登場するマッチョな男の人はダースベーダーの中に入ってる人らしい。

星評価:★★★★★