OSC同士のモジュレーション
2基の0SCを搭載している場合、OSCの波形を用いてもう1つのOSCを変調させることができる。
FM音源
FM(Frequency Modulation)=「周波数変調」の略で、クロス・モジュレーションともいう。
あるオシレーターのピッチで別のオシレーターのピッチを揺らすという技で、LFOでのビブラートに似ている。
LFOでのビブラートは数Hz程度のゆっくりとした波だったのに比べて、オシレーター同士では非常に高速の波(高い周波数)で揺らすことになるので、ビブラートには聴こえず、その代わり倍音が増えて波形が変化し、劇的に音色が変わることになる。
この原理は、FMラジオ放送でも応用されている。またJRの発車のメロディもFM音源である。
1980年代初頭のFM音源の出現までのシンセは、基本的にVCOで音程を決め、VCFで音色を作り、VCAで音量を決めるというプロセスで音作りをしていた。
それに対してFM音源はそれまでの概念を完全にくつがえすような方式で音作りを行うというまさに発明と呼ぶにふさわしい革新的な技術だった。
ベル(FM)
NoiseメーカーではOSC1も波形選択に関係無くサイン波でモジュレーションをかける仕様になっている。FMは金属的な音色を作るのが得意でその代表格とも言えるのが「ベル音色」である。
この音作りのキモは2基のオシレーターのピッチ比率にあり、簡単に言えば比率が非整数倍である方が不規則な倍音が発生し、より金属的な音になる。
【設定例】
■OSC1
・波形:ノコギリ波
・TUNE:+17(通常1オクターブ+4度上)
・音量:ゼロ
■OSC2
・波形:サイン波
・TUNE:−24
・FM:1時くらい
■アンプEG(ADSR)
・A:0
・D:2時<
・S:0
・R:2時
【波形】A(ラ音):440Hz付近
リンクモジュレーション
トレモロの超高速版がリンクモジュレーション。
これはオシレーターで、オシレーターを振幅変調(トレモロの専門的な呼び方)することで複雑な倍音を生み出している。
リンクモジュレーションの「つまみ」は、かかり型を深くするものではなく、原音とリンクモジュレーションされた音のミックスバランスを変えるためのものである。
原理
【例】
OSC1(A:100Hz)、OSC2(B:300Hz)のサイン波を出していた場合。
リングモジュレーションすると200Hzと400Hzのサイン波が得られる。
ベル(RM)
【設定例】
■OSC1
・波形:矩形波
・TUNE:+12(1オクターブ)
・音量:OSC2と同じ
■OSC2
・波形:サイン波
・TUNE:+3(短3度上)
・音量:OSC1と同じ
※2基のOSCが長6度の関係にある。
■アンプEG(ADSR)
・A:0
・D:2時
・S:0
・R:2時
■MASTER
・RINGMODを調整
【波形】A(ラ音):440Hz付近
オシレーター・シンク
シンク元のOSCの波形でシンク先のOSCの波形を、一周期毎に強制的にリセットする。
原理
2基のオシレーターで新しい波形を作ることができ、さらにその波形をOSC2のピッチをいじることでダイナミックに変化させることができる。
■シンク元:OSC1
OSC2の周波数がOSC1の整数倍ではない場合、OSC1のピッチが最終的なピッチに鳴る。OSC1のピッチはOSC2の音色には影響しない。
■シンク先:OSC2
OSC2のピッチを変化させると、ピッチではなく音色が変化する。波形を変えれば当然音色も変化する。