【MIX理論パート4】:「ダイナミクス」
ダイナミクス
コンプレッサー
コンプレッサーは音量の変化(ダイナミックレンジ)を収縮させるもの。
大きな音を小さなボリュームに抑え、小さな音を大きなボリュームに増幅する。
後述しているが、スレッショルドは線引きの値で、レシオの数値によって圧縮率が変わる。
ダイナミックレンジ:音量の最小値と最大値の比率
リミッター
リミッターは、スレッショルドで設定した音量から上の音をカットする。
*コンプレッサーとの相違点
・小さな音を増幅しない。
・スレッショルドで問答無用に音を潰す(切る)ため、原音の質感が失われてしまう場合がある。
・レシオ、アタックタイム、リリースタイムの設定ができない。
マキシマイザー
データの先読みという方式を使って、究極に歪みにくく作られているリミッターというイメージ。
代表格で言えばWAVESの「L1」や「L3」などがそれにあたる。
パラメータ
ゲインリダクション
ゲインリダクションはコンプレッサー(リミッター)が今どのくらい音を圧縮しているかを表す目安。
コンプレッサー(リミッター)の動きが唯一目で分かるところで、ここを見ながら以下を基準に設定していく。
*リダクション量の基準
スレッショルド(Threshold)
閾値(しきいち)と訳される。
コンプレッサーエフェクトに置ける「スレッショルド」はコンプレッサーが掛かり始める基準の事を意味する。
一言で言えば、境界線。
スレッショルドで定めた値以上のものが圧縮される。
スレッショルドは値を下げるほど、ダイナミクスが強くかかる。
コンプレッサーの場合は、スレッショルドとレシオの数値で
リミッターの場合は、スレッショルドを越える音量を完全に潰す。
レシオ
スレッショルドは、あくまでも線引き。
この線を越えた音を実際に圧縮するのがレシオ。日本では「比」
一言で言えば、圧縮率。
スレッショルドを超えた部分の音に対し、音量を「何分の1にするか?」を決定する。
レシオの数字が高いと、音が沢山圧縮されることになる。
*ポイント
レシオ設定による音質の違いを見極めたい場合は、リダクション量が一定となるようにスレッショルド値を調整する。理由としては、どのパラメータを操作して音質変化しているか困惑しないようにするため。
図では視認しづらいが、レシオ3:1の方が面積の増加量が大きくなる。
アタックとリリース
アタック:A成分を前に出すか、引っ込めるか
リリース:B成分を前に出すか、引っ込めるか
音量レベル:PEAK/RMS/Loudness
PEAK:
信号のレベルで一番高い瞬間の値を表す。
デジタル機器で音を扱う場合には、一瞬でも信号レベルが機器が扱える範囲を超えてしまうとハードクリップを起こし、大きなノイズとなってしまうため、このピークレベルが重要となる。
*RMS(Root Mean Square)
平均的な信号レベルの大きさを示す指標。日本語では実効値という。
PEAKレベルが同じでも波形によってRMSが変わる。
*Loudness
人間が耳で感じる音の大きさを数値化したもの。
人間の可聴音域(20Hz〜20,000Hz)以外の音が多ければ、Loudnessレベルは低い。
コンプレッサータイプ
・Opt(光学式)