スターリンの葬送狂騒曲
他のレビューにもあったが、歴史上の人物と顔があまりにも似ていなくて、なかなか物語が入ってこない。フルシチョフとベリヤの役者が混同してしまって、脳内変換が大変だった。あと、英語を使ってるのにアメリカ批判をしているのも矛盾が激しい。
独裁政権の崩落によって、派閥争いが始まる。スターリンの「粛清リスト」は書き換えられ、イデオロギーが生まれ変わる。人間の作った虚構は、人間の死によって堕落する。イデオロギーの頂点に国家があり、個人や家族はずっと下にあった時代。思想弾圧の激しい20世紀をインプットすると、自由な思想を所有できる現代日本に生まれたことの幸福は奇跡に近いかもしれないと考えるようになった。
マレンコフ役のジェフリー・タンバーがハマり役だった。スッとボケた役が上手い人を真似したい。