あらすじ
2019年、酸性雨が降りしきるロサンゼルス。
強靭な肉体と高い知能を併せ持ち、外見からは人間と見分けが付かないアンドロイド=「レプリカント」が5体、人間を殺して逃亡。
感想
1982年公開。
ファイナルカット版で、久しぶりに吹替で洋画を観た。
やっぱSF映画は観やすい。ホラーより全然観やすい。
アジアの俗世間っぽい感じがディストピアの世界観には不可欠なのかもしれない。AKIRA、フィフィスエレメントの世界。
もののけ姫のババアとかもそうだけど、神秘的な色調はアジア人が持つ大きな強みかもしれない。聖俗は、アジアの神秘性とチップチューンで示せるかもしれないと着想を得てしまった。中国人が屋台やってて、目玉が出て来るだけでもう近未来ディストピア。2019年が現代になってしまう…。
レプリカント役がすげえ。目の動きとか、いちいちすげえ。そして、角刈りスタイル風のヒロインが突然登場するシーンが最高。途中でパーマヘアーになって残念。
髪乾かすやつすげえ。あれ欲しい。
デッカードがヴォイト=カンプ・テスト受けたことがあるかどうかは、問われるまで盲点だった。
自分が当事者だったってのは、確かにあるあるオチなんだけど、ハリソンフォードの演技から想起していなかった。
実際の現代とは違うけど、思想にはぴったりの作品。
人間なのか、機械なのか。ロボット自体が自分を人間だと思っているのは斬新。
だけど、機械が死を怖がっている、仲間の死を悲しむという設定は飲めなかった。どちらかというと逆の発想の方がいい。
白塗り序盤からたくさん出ていて、寺山、土方巽もキテて日本人は好きになってしまう作品。途中で民謡も入るし。まぁでも、やっぱり海外から見た日本で狂気性の塊で。やっぱ、雨の描写は羅生門なんかもオマージュしているのかな。
シンセ音は多分Moogだけど、時計仕掛けのオレンジも入ってそうな感じ。
世界観とアクション重視。アートよりデザインの映画。
最後の方は、ホラー映画に近い雰囲気になった。しかも、ちょっとグロい。
あんなにアクション必要かな?本質から遠ざかってしまったような。
あのヒロインはどうなる?結局、デッカードはレプリカントだったのか?
悪い癖発動して、ググってみると、諸説あるらしいっすね。
また自分でハードルを上げすぎた。
最後に優しい音楽流してるんじゃねーってなったよね。
サイバーパンクのビジュアルが当時評価されたのだろうな。うーん、私は消化不良で終わってしまった。
星評価:★★☆☆☆