適性とエンジニア脳
やりたいことがあるような気がするのに、何となくやらない怠惰な日々を過ごして、自分は才能がないなと思うループ世界を20代まで繰り返してきていたのですが、最近は何となくやりたいことを作業できるようになってまいりました。
思考感覚の変化

「何をやるか」と「どうすれば良いか」が明確化されてきて、思考が相当にシンプルになってきた感じがあります。去年までの禅問答的な問いが自分の中であまり無くなってきて、今後は日々使用する機材の機能性や操作性、デザイン性を追求することのみ考えればええです。実感してるけど、この思考はすっげ楽。
これから書く、「適性を考える」の記事は要約すると以下の内容。
・忍耐を必要としない空間で生活する。合わない状態で放置しない。
・(何が、どこで、どうすれば)自分の適性空間を作れるのか、定義すること。
・社会的評価を得るには、要求された現場で瞬時にアウトプットできるまで反復する。
ってなことを、以下ダラダラと長いことまた書きます。
忍耐を必要としない空間で生活する
筆者は比較的異動が多い職場で働いているのですが、新たな異動先で自分の適性を活かすための努力を放棄すると、結果的に壊れてしまう可能性があります。これは以前に実証済。
自分の適性を理解した上で、迷惑をあまり掛けない程度に立ち回っていても、違和感を覚えたり、アウトプットが満足に出来ないのであれば、環境を変えるべきと思う方です。”合わない”環境にいると、無駄に自己肯定感を削がれます。
社会生活は誰かとの協働作業です。そこには必ず相性があリマス。上司から説教されてショックな人もいれば、何とも思わない人もいる。隣の席でずっと誰かに電話しているのが気になる人もいれば、全く意に介さず自分の作業に没頭している人もいる。
忍耐を必要としている状態は、仮に1度は処理したとしても、後々のモチベーション管理が難しくなり、何度も処理することがいつか出来なくなる。「フロー状態」とは言わないまでも、なんとなく手を動かすことが楽しいとか、感覚的に操作が出来るような作業である必要があるわけ。
扱いずらいものを、そのままの状態で何とか処理しようとするのはそもそも間違いだと最近感じ始めた。これまで「あぁやっぱり自分って何をやってもダメだ」と思ってきたアレやコレは、「自分に合わない作業を、合わない環境のまま、合わない作業方法で、実行していたから」だったような。
(自分も含めて)多くの人が自分の適性を理解していない。そして、自分の適性を活かすための手法を編み出していないし、そういう適性空間をカスタマイズしていない。「適性をつくるとは、忍耐を必要としない空間デザイン」と定義し、まずは今更ながら自分の得意/不得意を考えたい。
自分の適性を最大限活かした場所で、情報発信/コミュニケーション/作業に没頭する。つまり、忍耐を必要としない空間に身を置くことから始める。
適性空間の定義
まずは言語化する
自分の得意/不得意を考える上では、「さあ、才能に目覚めよう」を読んだら終わりな気がしますが、自分の核となる部分な気がするので自分でも更に考えを深めたい。
グラレコで有名な清水淳子氏のTweetを引用させて頂く。
このようなことを考え始めたのはdrikin先生と瀬戸弘司の対談を聴いたことが起点になっていて、ワークフローの最適化を楽しむ生き方にマインドセットされた。対談の中で、お2人とも自分の適性を客観的に鋭く分析されており、仕事やプライベートも含めたライフスタイルの構築を明確に言語化されていた。
What / Communication / Work
自分が尊敬できる人たちは、間違いなく自分の適性を明確に言語化することが出来る。これを自分でも出来る状態にしておきたいので、さらに考えてみたい。
少し格好つけて、What(何を)、Communication(どこで)、Work(何を使って)の3つに切り分けて考えてみたい。
What
- 記憶力と頭の回転は悪い。
- PC作業であれば全般OK。その他の手作業は不器用で不向。
- デザイン/アートへの知的好奇心を引き出すことが好き。
- 言葉を徒然と書くことはわりと得意らしい。
Communication
- 電話での情報伝達は不向。メールでのやり取りにする。
- デリカシーのない人の相手をしない、他人に期待しない。
- 言葉より、写真や図形情報で伝える方が伝達しやすい。
Work
- 音に敏感で、特に朝は静かな方がいい。
- 机上は片付いていないとわりと気になる方
- ポモドーロタイマーをつけて作業すると、集中を継続しやすい。
- 1回で完璧にするより、何度もワークフローを回す方が良い。
- 最小化されたオペレーションまでまとめて、作業改善を繰り返す方法が良い。
- 思考/作業プロセスをフローチャートで整理すると理解しやすい。
- 簡易電話メモは常に置いておく(折り返し電話してくださいの相手が面倒)
- ipadお絵かきは、指で描くの方がいい。
補足事項
What:記憶力と頭の回転
情報の一端から思考を回して考える力は凡そ持っていないし、そういった努力をしてこなかったのもある。理系なのに数学が不得意で、常に足を引っ張っていた。大学受験でも浪人してまで勉強を続けたが、学問に対するセンスは凡人以下だったかと思う。
優秀な人と同じ教科書で勉強していても、自分が理解しやすい環境やツールで学習すべきだったと大人になった今になって反省していて、これは教育制度に問題があったと思うようにしているが、定かではない。
1つの物事を深く考える能力は、学のある優秀な方には勝てない。1回の試行で思考深度を掘り進めたり、微妙なニュアンスに気づことは難しい。1回あたりの作業の正確性やスピードではからず、ワークフローを何度も試行することによって業務改善するのが得意である。というか、それしか出来ない。
What:デザイン/アートへの知的好奇心
作曲や作画の作業をすることが好き。でも、ふとした瞬間にこれって何のためにやってるんだろう?って思う瞬間があったりするが、そのリアリズムを最近突破した気がする。
この世界を面白く見るかどうかは本人次第。誰にも評価されなくとも、他人には無意味に思えることでも、自分から見たら面白いと思えること。(その視点をつくるには、本質的価値を理解するための知識と技術がいるかも)
大人になれば、「誰にも評価されない無意味なことを懸命にやること」を求められたりする。そして、いつの日か、それが好きになったりする。いや、それが大人になるってことかもしれない。
他者との関係性を構築する前に、自分を自分で楽しませることができる力を磨く。自分で自分を楽しませる方法以外に道はない。「いま自分で楽しいことを作る」は誰かの承認を必要としない思考だからこそ、最強の手法である。
思考を垂れ流して、文章にすることも割りと得意らしい。ブログが断続的に何とか成立しているのもこの性質があるからだと思う。本当にラジオ感覚で思考を垂れ流しているだけで、何かを書きたいと思っているわけでもない。何となくキーボードを叩いていたら、思っていることを形にしてる。
Communication:デリカシーのない人への対応
自分の場合、”生きにくい”を感じる主な原因は、自分の問題であれば「受け止め方の偏り」であり、相手の問題であれば「デリカシーが欠如した指示でオペレーションを強要されること」にある。
この数年でその両方を即座に判断出来るようになり、受け身の取り方(反応の仕方)が上達したと思う。最近、マイナス方向で他人に影響される機会が少なくなったし、そもそも他人に期待しなくなった。
ということを、別記事に書く予定。
Work:PC作業関連
大学の授業で製図したサイコロを作る講義を受けたことがあるが、時間がかかった上に評価が最悪のFを受賞したときに全てを悟った。
まだ時代に救われているのが、パソコンを使うのが得意な方であったため、一日中デスクワークするのが全く苦では無い。というか、むしろ好き。しかし、人によってはパソコンで書類作成をするのが辛い人もいるのだろう。それで何とか社会人としての体裁を保てている。
全ての行動を作業化し、オペレーションを効率化する物の見方は、自身の幸福感と直結しているようである。また、あの人には到底かなわないけど、自分は他人が興味のない○○に関心があるとか、何かしらの専門的な技術を持っているというのは、自分の強みになるらしい。個人的に自己肯定感という言葉は好きじゃない。ニュアンスは同じだが、明らかに今までと違う自己の支持力がある。
社会的評価を得るまで
つーことで、自己分析したのか、よく分からない。
要約すると、「不器用で頭も良くないけど、ルーティンワークのPC作業ならギリギリやれるていう取り柄の無い人間だった」ことを再認識する結果となってしまった訳だが、それでも何とかやっていきたい。
既に長くなってきているが、話を少し振りたい。
藤井聡太2冠の詰将棋
「藤井聡太2冠(当時7段)が目隠しで詰将棋に挑戦!」って動画を見てしまったけど、意味が分からなくて面白い。
面白いというより、もうこれは常軌を逸しているというか…。
将棋は相手の駒の動きを読み合うゲームだけど、そんな単純なものではなく、指した手に正解がないことも多いと聞いた。羽生名人はインタビューで読みの数を聞かれた際に、読む手数は直線で30~40手、枝葉に分かれて300~400手と答えているそう。常人には理解できない芸当。
フラッシュ暗算
少し古いけど、フラッシュ暗算のギネス記録更新を撮影した動画あった。
これも意味が分からない。まず数字が見えない。何がしたいか意味不明。こういうのを見ていると、頭がどうかしているとしか思えない。
反復しかない
先の2つの例、自分の思考領域が届く範囲にない異次元のお話であるため、例として取り上げるのが不適当かもしれない。だけど、これを馬鹿に出来ないから困る。
私たちはどんな作業であれ、「タスクを素早く正確に処理する」能力を求められる。というか、それしか求められていない業務がほとんどである。
社会的評価の高い人というのは、どんな仕事であれ、「要求された現場でアウトプットを即座に実行すること」だと思う。複雑なタスクを瞬時に処理できる能力は、反復練習によってのみ得ることができる。そして、この法則は当然に仕事にも適応できる。
自分は物事を突き詰めて考え抜く力はない。でも、最小化されたオペレーションを用いてパソコンを使って素早く処理することに関しては、何とかやっていきたい。
何かしらで社会から評価をいただくには、「エンジニア脳をつくる」しかない。
エンジニア脳のつくる
最近は専ら技術的な思考の強化に移行しているお年頃らしい。
drikin先生の影響を受け過ぎな気もするが、エンジニア脳をインプットしたい。エンジニア脳とはワークフローを最適化する物の考え方だと解釈した。そこで、自分が考えるワークフローチャートを作ってみた。
そして、アウトプットを続ける秘訣は「オペレーションを最小化する」ことにある、と気づいた。何となく出来ない/やりたくないと思っている目の前の作業は、完成までの作業フローの何処かに煩雑さが存在する。
根性論の意識下で作業をするのは本当に嫌いで、自分は続かない。ポモドーロタイマーをセットして、作業を進めるのが心地よい状態になるまで、ワークフローを改善する。他人はどうかは分からないが、この「オペレーションを最小化する」ための最適化が自分には必要らしい。
ウサギと亀の寓話の中で自分が目指すべきは、足の速いウサギでも、着実に歩みを進める亀でもなく、舗装された道路を車で走り続けることである。(…この例え、合ってるかな?)
作業フローチャート

ブログを始めた当初の5年前と比べると、仕事でも趣味でも下手なりに、何とか形になっている物を出せているようにはなり始めたと思っている。
自分が設定した時間に対して、そもそもどれくらいの作業量がこなせて、それをするとどの程度のアウトプットになり、それが全体の要素としてどの程度積み上がり、どの程度続けると品質の高いアウトプットを生み出せるのか。
自分は生産性が無いと諦めてしまう多くが、この労働時間管理をしていないのが原因だった。「続けること」を最優先した際に、この考え方を適応して全てのタスクを管理したい。
物事が続かない原因として、アウトプットの精度を上げることばかりに尽力してきた癖があると思う。時間をかけて作品の品質を向上させることばかりに注視して、継続可能なものにしていく努力を怠っていた。
3つの作業領域
先ほどの工程をレイヤーで分けてみる。作業に没頭する時間、品質を向上させる時間、労力を調整する時間の3つを掛け合わせながら、ワークフローを作っていきたい。

これまで続けられなかったのは、結局のところ、必要とするアウトプットのための作業をするのに、どれだけの時間と労力が必要なのかを正しく見積もることが出来てないから。タスク全体に対しての労力計算をしないまま、仕事を受け入れちゃいけない。目の前の仕事の品質が著しく低下したり、自分の機嫌や体調を崩す方が何よりも効率が悪い。
大凡の勤勉な日本人はこれめっちゃ苦手じゃないっすか。だから、残業しまくって労働災害起きるんじゃねえかって思う。人の何倍も生産性が高い人や、根性で全てを解決できる人はこの限りでないかもしれない。少なくとも、自分は何でも引き受けると死ぬ。
高品質なアウトプットを追い求めるがあまり、リソース管理が出来ない。何にどれだけの時間を割いて、どこに自分の労力(リソース)を、どれだけかけるか。自分の労力が際限ないと思っているかもしれないが、自分に期待し過ぎだと思う。根性で解決出来る人はそれでいいと思うが、自分は根性が全然ない。
1回限りのアウトプットに対する精度があがっても、別のアウトプットで同じ作業をするのにモチベーションが下がってしまうようでは意味がない。作品の精度が上がったら、それを再現するために作業を最適化する手法をセットで考えるべき。作品が未完に終わっても、右側の「フローを作る」を巡回してから作業を再開する。
基本的にクリエイティブで自由な領域ほど、際限なく時間をかけられる。で、継続可能な物にしていく努力を怠っていることが多い。アウトプットの精度を上げることは当然に大事だが、自分の場合、続けられないと全く意味がない。
作業が未遂に終わって完了しなかったとしても、作業手順をアーカイブして、次の作業を開始する。「記録する」ことを基軸にして、継続を担保する。アウトプットを小出しにすることも大事だった。
小さな改善を繋げる
成果につながっていない試行錯誤の状態だと、記録せずに過ごしてしまうことがあるけど、重要なのは「成長実感を作る」ことにある。動画コンテンツと違って、ブログの場合は後日編集することも可能。試行錯誤の状態で今日やったことを保存しておくことを習慣に付け加えたい。
1日当たり少なくとも1個の最適化を作って蓄積すれば、数年後にはチリツモ状態になる。ずっと走る必要はないけど、歩みは止めたくない。
社会人になってから同じ作業をひたすら行うこと、アナログタスクに時間をかけることが、全く成長していない自分を作っているようで怖い。記録しない状態だと更にその恐怖が増してくる。だから成長実感を作るために、試行錯誤した状態で良いので、とにかく技術をアーカイブしておきたい。
圧倒的に努力出来る人は、そんなこと考えなくても一気に駆け上がっていくのだろうけど、自分はぼちぼちしか出来ない。自分のペースで続けたい。続けられるようになってから、品質の担保を構築していけばいい。仕事だとそうも言っていられないけど、趣味だからその程度で良いって思える。
社会人になってからすぐだったと思うけど、GTD(Getting Things Done)の本を読んだ。仕事の時間管理手法についてある本だけど、要は何をすべきか情報を集めて細分化して、整理して優先順位付けて実行しようずって話だった。生産性高い人って、このプロセスを大事にしている。
自分の場合、何もしてなくても書きたいことが多すぎて渋滞起こしまくるので、今後書きたいことを列挙するだけの記事があっても良い。
書きたいことをリストで上げといて、1日1つの小さい改善で良いので、記事を立ち上げるか、以前に書いた記事に追記する形でもいい。以前書いた記事でも、投稿日を当日に変更してもいいかも。成長実感を見える自分へのアピールとして、毎日何かしらの改善を実行していることが分かった方がいい。
draw.ioでチャート作成
フローチャートで思考を整理する術を試しているが、draw.ioを使用している。
Googledriveに同期しながら活用してる。catelinaにアップデートしてからadobe製品(CS6)が使用出来なくなったが、簡単なフロー図ならこのサイトで作る方が便利かと。
3×3で作業内容を判別する
それで、前回の続きを書きたい。
人によって作業を最適化する手法は違うと思うが、筆者の場合を考える。自分の場合、「どの作業内容に、どれくらいの時間をかけるのか」を把握することが大事。
どんな作業においても、筆者の場合は「①素材を集める、②編集する、③整形する」という3つの作業プロセスを基本としている。以下のフローチャートの左側に該当する。

基本的に作業を行っているのは、この左側の「3つの作業工程」のどれかを実行している。そして、その中でも「作業実行、ワークフロー、品質改善」のいずれかに対する作業を実行している。
例えば、「素材集め×ワークフロー」についてオペレーションを最小化するしているのか、「編集×品質改善」を検討しているのか、「整理×作業実行」のプロセスを実行しているといった具合。ゴールに向かうまでの作業として、「どの作業内容に、どれくらいの時間をかけるのか」を把握しておきたい。
どれくらい時間をかけるのか
何をやるかが分かったら、どれくらいの時間をかけるのかを理解したい。そこで、フローチャートの右図を「Phase」に分けて描いてみたけど、これが1番分かりやすい気がする。

「PhaseⅠ」では全てのオペレーションを書き出すことによって把握すること、「PhaseⅡ」では作業労力を調整すること、「PhaseⅢ」で品質を向上するプロセスを行う。って感じ。
自分で作って思ったけど、PhaseⅢに移行しないと作業が完了できない。でも、これで良さげ。今回はオペレーションが多いタスクを継続的に続けるためフローチャートを作っていて、1回限りで終了するタスクを想定している訳ではない。何度も試行錯誤した上で、ポモドーロタイマーを用いた場合に「どのPhaseを、何回実行する」必要があるかを、作業の難易度を考慮して事前に見積っておきたいのが目的。
例えば、ブログ記事の作成であれば、PhaseⅠに15分+休憩5分、PhaseⅢに15分+5分の計40分を目標にしている。たまに新しい技術を試そうとするので、PhaseⅡも間に挟んで15分のポモドーロで作業を追加する。などを、想定している。
オペレーションの最小化を検討しながら、作業難易度別に事前に作業時間を見積もる習性をつけたい。特にオペレーションの多いタスクを闇雲に作業をしたとしても、簡単にアウトプットには繋がらないことは何度も経験済。
フローチャートにする意図
「まずは言葉にする」ことの偉大さについては、5年間の断続的ブログ生活で気付かされた事。ぼやけている思考の輪郭は、言葉にすることで少しずつ焦点が合致していく。思考を探るために、言葉が彷徨うことは必須。
「思考を言葉にする」を圧倒的に信仰しているが、それらを収束する手法を考えてなかった。言葉を発散させるが、整理されていない状態では取り出しにくい。そこで、あらゆる思考はフローチャートで整理し、瞬時にアウトプットできるようにしたい。