【日記】レンタルなんもしない人

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レンタルなんもしない人

レンタルさんとは

今週のザ・ノンフィクションも観た。白のポロシャツと青の帽子を被ったレンタル何もしない人(@morimotoshoji)が主役。

ドキュメント72時間に出たり、はじめしゃちょーのyoutubeに出て、今や有名人となってしまった。

仕事内容は非常にシンプルで、一緒に居てくれるだけで基本的には何もしない。時間料金は取らない。一緒にいる間、交通費や飲食代だけ渡せば、1日を共にしてくれるらしい。

“無”の提供

“無”のデザインが巧みに設計されてるんよなぁ。白のポロシャツと、青の帽子がトレードマーク。どーでもいいけど、CP9のカクに似てると思いませんか?

「居るようで、居ない」の世界観が絶妙で、この人の風貌で無いと成り立たないと思う。全国で「レンタルなんもしない人」のパクリが居るらしいが、簡単な仕事なんかじゃないよ。これは誰でも出来る事じゃ無い。

レンタルさんの仕事って、カウンセリングに近いような。プラスもマイナスも与えないから、相手を勇気付ける事が出来るわけで。淀みが無くて、利害関係を作らないから出来る所業。他人の話を自分のフィルターに通さず、言葉を挟まずに聴くって、すごく難しい。

これってさぁ…“無を提供している仕事”だと思った。レンタルさんに淀みが無いから、映し鏡的に自分を知ることが出来る。そういう尊い存在じゃねぇのか、この人。

意味を持たない事を本人が受容しているんや。この「何もしない」っていう哲学を実行しているから凄い。これって、無色透明に見えるからこそ、誰かを励ますことができる。”有”が溢れているからこそ、人は”無”を欲している。あぁ…東洋思想や、完全に禅宗の世界よなぁ…。って、自分は全く炎上とは関係ない部分で、妙に腑に落ちた。

放送後に大炎上

とはいえ、本人はSNSのいいね!に敏感に反応している。また、奥さんと子供がいた。そして、VTRでは家事や育児に関わる喧嘩で、奥さんと別居をすることにもなる…。当たり前だけど、実に人間的である。しかし、余計なことだが、商売には悪影響かもしれないと思った。

「スティーブ・ジョブスが育児に参加して、iPhoneが出来なかったら残念」という(屁)理屈をもとに、別居宣言をしたのだが、嫌なことから逃げるのが実に人間的である。また、自分の発達障害も認めていて、集団でプロジェクトを進めていくことが不得意とも言っていた。

放送後に、ネットで大炎上した。主な意見は、以下のようなもの。

・子供がいるのに仕事しないで自由になりたいとかただのクズやん。
・なんもしない人って何となく「無欲で捉え所のない人」だと思ってたけど、実際は承認欲求が強めでジョブズ持ち出して家庭から逃げてる人だった。
・女性とばっかり会ってんじゃねえか。
・自分の親父が子来ない女のいえに平気で泊まるのはすごく嫌だよね。肉体関係とか問題ではなく。

などなど、ゴリゴリに炎上していた。

クライアントの闇

クライアントの要望は、本当に様々で。部屋の片付けをしたい人、性癖を聞いて欲しい人、気を遣って笑顔を作る癖を治したい人、寂しいから一緒にいて欲しい人、ゲームの人数あわせ、花見の場所取り、育児についての悩みを聞いて欲しい人、などがあるらしい。

怖いのが、クライアントの方だ。自分の占有欲を満たしたいが故に、ツイッターにレンタルさんを顔写真入りで掲載している事例が増えていると想像する。承認欲求を満たす為の付き合いが、結局は都会的な発想だなとも思う。

レンタルさんで承認欲求を満たそうとする輩がいて、そういう連中に使われるのが俺だったら辛いけど、本人はそれで良いのだろうかと要らぬ心配をしてしまった。