シンポジウム
映画塾のシンポジウムがあったので、参加してみた。
グラレコ
会場
会場は年齢層がお高めで。あんまり若い人が居ない感じ…。
気づいたら、開演前には満員になっていた。
地方で映画を撮る魅力
脱線も沢山あったが、総論としては地方で映画を製作することの魅力について、語るシンポジウムであった。
ハリウッド映画は映像技術を求めるが、地方映画は何を撮るのか。普段どんな視点を持って生きていて、どんな発想があり、どんな人脈財産を持っているか。つまり、心の中にどんな景色を抱いて地方で生活しているか、が映像に現れるのだと思う。
1本の映画を撮るのは大変。だけど、参加する全員で意見を出し合い、協働の元に作品を生み出す過程に面白みがある。クリエイションの中に、協働を見出す。
議論の焦点が、どうしても「都会と田舎」の対立軸になってしまうが、作品の内容が都会へのアンチテーゼだけで終わりたく無い。少子高齢化、農業、歴史を美化して過ぎている気がするが、ネガティブに目を瞑ってはいけない。ネガティブだからこそ、見える世界の価値観を描きたい。
*地域にこだわる監督
ウディ・アレン(NY)、河瀬直美(奈良)、錦織良成(島根)
価値とは
映画とは、「価値を何に見出すか」にある。まずは知ろうとすること、残そうとすること。島根の文化、生活様式を重んじること。つまりは、人の生活を大事にすること。
島根は、言い伝え、風習、文化、歴史、食べ物、風景に魅力がある。例えば、古事記、日本書紀、小泉八雲(出雲昔話)、歌舞伎踊りのルーツがある。県外の人から見れば、「わりご蕎麦、築地松」が珍しいとのこと。
都会との対立軸で見たくはないが、差異から価値を探っていくことは手法として有りかもしれない。
錦織監督が映画を作る上で、「何処にいても、輝ける」を若い人に知って欲しいというのが目的なんだと言ってた。ほんまに素敵や〜と思った。
一畑電車のスイッチバック
興味深かったのが、一畑口でスイッチバックしている理由について話があったこと。確かに、一畑電車って、平野なのにスイッチバックしているけど、今まで疑問に思ったことがなかった…。
どうやら、戦争が原因らしい。小境灘駅から一畑駅までの3.3kmは、1944年(昭和19年)戦時下の鉄材供出で営業休止になり、そのまま1960年(昭和35年)には廃止された。その為に、この駅が特異な平地のスイッチ・バック駅になっているとのこと。