あらすじ
フランク・キャプラ監督の名作。1945年のクリスマスイブ。住宅金融会社を経営しているジョージは度重なる不運で自殺しようとするが、そこへ天使が現れ、ジョージがいなかったときの世界を見せる。
内容
1946年公開。
スピルバーグが選ぶ好き映画10作品に入っていたので、鑑賞。
良くわからないが、島根県で県民ボランティアの手によって、日本で初めて日本語吹替版が制作され上映されたらしい。2014年ってまだ5年前やん。
監督のフランク・キャプラはこの映画の為に、制作会社を設立したけど、全然ヒットせずに会社が倒産してしまったらしい。今は傑作となって、アメリカでは毎年クリスマスになると放映される作品だとか。
子供はヤンチャが当たり前だった時代…教育ってもしやこの感覚があるから、子供を軍隊教育しようとするのでは。
昔は子供の数が多かったから、個別指導をするためのコストがかけられなかったのも原因だと思うけど。
ダンスパーティーでプールに飛び込むシーンが素敵すぎた。素敵な時代だなぁ。昔の人って、みんなダンスが踊れたのかなぁ。ダンスなんて踊ったことないや。月を飲み込むなんて、言葉も美しい…大雨の結婚式も設定がええよなぁ。ウィットなジョークも飛んでいて、物語のテンポも良い。ってこれ、本当に70年前の映画??
新婚旅行に行けなかった事実に腹を立てるのではなく、即席で作ったホテルで擬似新婚旅行を味わう。あぁ〜なんて素敵なんだろう…愛がある。愛しかない。
叔父が8000ドルを紛失し、自暴自棄になり自殺を図るジョージ。終いには、「自分なんて生まれて来なかったら良かった」とこぼす。あぁ…これは完全に実存の話だ。そもそもこの世に自分が存在しない世界では、悩みを持つことさえできない。誰も自分のことを知らないし、8000ドルの行方なんて誰も興味ない。街の名前さえ違い、ポッターが牛耳る。
自分の人生が如何に素晴らしいものだったかを認識するジョージ。一人の命は大勢の人生に影響しているんだ。
もう、なんというか、ラストシーンの多幸感が半端ない映画。
救済してきた町の人たちに、今度は救済される。人の温かみを感じる。伏線回収も綺麗。不朽の名作たる由縁。
・「ジョージよ、覚えておけ。友ある者は決して失敗しない。翼をありがとう」
・天使が羽をもらうとベルが鳴るんだよ!
シンドラーのリストを観て感じたことと似ているけど、日々の生活が当たり前なんて思わないこと。感謝すること。これは、自分がひきこもりで学んだこと。
友あるものは決して失敗しない。こう断言できる人生で有りたい。そこに至るまで、まだ人生を生き抜いていない。
人間関係が希薄になっていく世の中であるからこそ、今見たい映画。
星評価:★★★★★