感想
コーチの目標は、「自分で考え、自発的に行動を起こし、自分で評価出来る」部下を育成することで、何かを教えるというよりは、相手の意欲を高め、持っている 才能を目覚めさせることである。コーチングとは会話を重ねる事を通して、相手に目標達成に必要なスキルや知識を備えさせ、目標に向けての行動を促していくプロセス。上手く行かないのは、自分の能力・適性に気がついていない、知識が不十分、意欲を高める方法を知らないことに原因がある。指示ではなく、会話の質と量によって「自発的な行動」を促すことができる。
コーチングのイメージとして椅子に座って2人がキャンパスに座っている様子が描かれている。
椅子に座って2人が同じ方向を向き、大きなキャンパスにクライアントがビジョンを描く。コーチはクライアントがよりリアルにビジョンが描けるように、質問を投げかけ引き出していく。「今一緒にキャンバスに向かって話している」という状況をイメージする。
このイメージを持つことで自分または相手の意図がきちんと伝わって いるか、目標に対してのビジョンを掴めているかどうか、会話をしながら課題を整理する術を覚えた。今までは会話の中で相手の感情を気にかけることに意識を 削がれていたが、このイメージを持って人と会話することで仕事のスピードが格段に上がっている気がする。
本書にあった「まったく同じボールを、相手が受け取りやすい放物線で返す」というのは、相手との違いを認めて、相手の適性を理解することが前提にある。誰もがTPOに応じて、球種を使い分けられる訳ではない。そもそも、「ボールの投げ方」を知らない人だっていることを認識する。
ただし、言葉のキャッチボールをしている中で相手から「身もしないで投げ捨てる」、「強いボールをぶつける」という身勝手な態度が見受けられる場合には、どんな相手であれこちらの要求を毅然とした態度で伝える。不利益を被ることを容認する必要はない。
おかしいと感じることをはっきり伝えるのは、嫌われる勇気の「個を最優先とする」生き方に通じる。つまりは、「自分の信じる最善の道を選ぶ」ってことは常に心の中に留めておくべし。とかなんとか思いつつ、社会で生活する上で何でもかんでも不用意には発言できないけど、そういう意識を持つことが大事。
「人の適性を判断する」というキーワードでちょっぴり他人に優しくなれた気がする。誰もが「苦手」を持っているものだから。人の個性はそれぞれあって、違うからこそ面白いし、他人の長所を利用しなくては。