【読書】脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体

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脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体

内容

脳幹と大脳の各部を結んでいるのは、脳幹にある「神経核」と呼ばれる多数の神経細胞の集合体から伸びる軸索。神経核は、分泌する神経伝達物質の種類によって数種類に分けられる。

A1〜A7はノルアドレナリン、A8〜A16はドーパミン、B1〜B9 はセロトニン、C1〜C3はアドレナリンを分泌する。別系統の縫線核と言うセロトニンを分泌する神経の集まりもある。報酬系の中心となる神経は、ドーパミンを分泌するA10。A10は中脳の腹側被蓋野(VTA)から出る。VTAに興奮性の神経伝達物質グルタミン酸を送り込む「前頭連合野」と、抑制系の神経伝達物質GABAを送る「側坐核」の2種類がある。

A10が伸びている先、つまりドーパミンを受け取るのは、前頭連合野、扁桃体、側坐核、帯状回、視床下部、海馬。A10が活性化すると、これだけの部分がドーパミンを受け取る。

Dopamine pathways

依存症の薬物によって、VTAのA10神経を中心とする報酬系が活動し、快感が生じる。その体験は報酬系の各神経のシナプスに長期増強・長期抑制を形成する。薬物依存は薬物の摂取をやめても何年も残ることがある。

感想

人間はA10神経系と呼ばれるドーパミンを「生物的欲求」として必要としている。ドーパミンは正しく活用すると、人間的成長を促進させる物になるが、悪用すると「依存症」を引き起こしてしまう。

現代には、ドーパミンに働きかける装置が濫用されている。薬物、アルコール、セックス・恋愛、ギャンブル、オンラインゲームなどの依存症は、“脳内麻薬”ドーパミンが「快感」を司る脳の各部位を巧みに刺激している。

また扁桃体を刺激して、恐怖によってメディアは視聴者に不安を煽るニュースを報道する。炎上商法も同じ手法。「快感と恐怖」を巧みに利用しながら、人間社会は回っている。人間は『煩悩を生み出す装置』を、自分たちの欲求を満足させるために作り続けている。

社会的地位が高くても、お金持ちでも、どんな人間であれ、ドーパミンの欲求は等しく存在する。人間が存在する上で、金銭欲求・承認欲求は永劫回帰し、テクノロジーの進化によって一層深まる。であれば、人間固有のドーパミン欲求を上手く活用するための『依存』の方法を各々の手法で確立すべき。

報酬を求めることが悪いのではなく、「ドーパミンをどのように活用するか」が重要。多くの人は常に社会的報酬を求めている。

ドーパミン活用規則

依存症は「知識と技術」に捧げたい。そんな自分のドーパミン活用規則。

  • いま、この瞬間、煩悩(=ドーパミン支配)に反応している自分に気付く。煩悩を沈静化する訓練をする。
  • 快楽物質であるドーパミン報酬をフル活用する「対象コンテンツ」を知識と技術に捧げる。
  • 神経伝達物質とシナプス結合の可塑性を理解し、フロー体験が得られるまで、毎日反復する。

考えても仕方のないことを考えないこと、他人に大きく期待しないこと。蟹穴主義で自分の適性を理解すること。ドーパミン依存は、その対象となるコンテンツを知識と技術に限定すること。それらで遊べるようになるまで自分を洗脳し、何度も反復練習をすること。