オオクニヌシ様は美女しか興味がない
先日、出雲大社へ久しぶりにお参りしてきた。こんなにゆっくりと参拝出来たのは初めてかもしれない。色々と発見があったので、思いついた限りに適当に記事を書きたい。
多くの参拝客が2礼4拍一礼を遵守して、お参りしている。そして、見た感じ何が祀ってあるか分からないけど、他の人が並んでいてご利益ありそうだから取り敢えず並んどこ!ってな勢いで、御参拝されている。
そもそも祭神を知らないのにお参りするなど、一神教である従順なキリスト教徒やイスラム教徒の方からしてみれば、この国は狂っているとしか思えないだろう。でも、それが不思議の国、日本の寛容さだと思う。それに、戦後に「神道指令」によって、我々は古事記を学校で習わないから仕方ないんだって。
参道にある「ムスビの御神像」がある所で、ツアーガイドさんが「出雲大社の祭神はオオクニヌシで別名大黒様と言うんです〜」とか、「この象は和魂(ニギミタマ)と言ってオオクニヌシがほにゃらら〜」と言う説明に、ご高齢観光客の皆様はほぅ〜と頷かれ、有難や〜と言って手を合わせられていた。

国津神の主宰神であるオオクニヌシ様はどうやら人気があるらしい。でも、ちょっと待って。古事記にあるオオクニヌシ様の経歴を思い出してみよう。
オオクニヌシさまのお人柄
いじめられっ子
古事記を知っている人ならご存知かと思うが、オオクニヌシは八十神の末っ子で、兄神たちに日々イジメられていた。荷物を背負っていて、最後に到着したから困っていた因幡の白兎を助けて、ヤガミヒメと結婚できたが、そのあと2回も兄神から殺された。そして本人の意思とは無関係に、母親の願いで生き返った。

他人任せ
根の国編では祖先のスサノオにもイジメられたが、スセリビメの手助けによって何とかスサノオの試練を乗り切った。草原に炎の矢を放たれた時にも、たまたま近くを通りかかた鼠に助けられた。
国譲り編に移っても、タケミカヅチと対峙させるのは自分の息子(事代主神とタケミナカタ)に依頼して、自分は無抵抗で国津神の統治を諦めて、天津神に葦原中国を譲った。めっちゃ他人任せだし、自分が戦ってねえし諦める早くね?

プレイボーイ
オオクニヌシは国造りを進める際に、全国のあちらこちらへ行って美女へ求婚し、子供の数も古事記では180柱いる。スーパープレイボーイである。
つまりは、いじめられっ子で自力では試練に立ち向かった事もなく、また国譲りも息子の判断に任せ自身は戦わず、全国の美女を求め歩いたオオクニヌシさま。
そんな他人任せな神様に、皆様ご利益頂戴しようとしているわけだが、無理じゃないかって思ってしまう。オオクニヌシは自分では手を下さないのに、どうして人を助けるようと思うのか。オオクニヌシは美女しか興味ないんだよ!!!
みんな大好きオオクニヌシ様
この日本国を造った、国津神の主宰神であるオオクニヌシ様。
神様なのに、非常に人間くさい。だから、自分はオオクニヌシ様に縁結びのお願いはせず「いつも勇気をもらっています」と報告するようにしてます。多分、オオクニヌシはおっさんを相手にしてくれません。
オオクニヌシ様って「いじめられっ子で、他人任せで、女好き」って最高じゃねえすか。えぇ、僕は本当に大好きです。神様なのに、カッコ悪くて人間ぽくて好きです。出雲大社の祭神様であることが素敵。

自分が思うに、縁結びをお願いするのは会議している全国から集まった八百万の神様方にお願いした方が良いと思う。オオクニヌシさまは自分の縁結びに興味はあったけど、多分人間の縁結びには興味がない気がする。
御神座の向き
オオクニヌシ様は本殿で西側に向いて鎮座されているため、正面となる本殿西側に拝礼出来るようになっている。この前行った時も並んでいた。

御神座が西向きなのは諸説あるらしいが、稲佐の浜が西側にあって、天津神が国譲りのときに稲佐の浜に降り立った場所を観ているとのこと。これって監視してるってか…天津神を怖がってるだけじゃないのか…。
