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【映画】台風クラブ

投稿日:2019年2月11日 更新日:

【映画記録 パート60】:台風クラブ

あらすじ

「セーラー服と機関銃」「ションベンライダー」の異才・相米慎二監督の代表作。台風の接近に伴って、少年少女たちのやり場のない感情が高ぶってゆく様を、瑞々しく描き出す。

感想

1985年公開。

少女達がプールサイドで踊るのを、プールの中から覗く少年。テンプレ感あるけど、めっちゃええ冒頭。
色褪せたフィルム感と、昭和の匂いと…この感じだよなぁ…。もう少し世界が乱雑で良くも悪くもあった時代。今よりも不自由で、自由であった時代。40年前ってこんなに古く感じてしまうんやなぁ…。

邦画って人間模様を投影するしかない。撮影/編集技術じゃ洋画に勝てないし、タランティーノみたいな映画撮っても日本人じゃ格好がつかない。こういう日常から何かを切り取った作品の方が全然好感持てる。

カメラの手ぶれとかそのままだし、大根役者感がなんとも言えない。「やっちゃって、なんでもやっちゃって」でも、これでええし、これがええ。演技が下手くそでええ。三浦友和がインタビューで語ってたけど、子供達は素人らしい。ああ…なるほど。素人だからいいのか。映したいのは、生々しい「生きること」について。

松田聖子のSWEET MEMORIESを口ずさむ少女。時代を感じる〜。三浦友和先生役すげえいいじゃん。しかも、かっこいい。これは惚れる。ロケ地が田舎で、百姓の子供達がメインキャスト。あーまずい、色々と可能性感じてしまう。天然コケッコーもそうだったけど、田舎と学校はすこぶる相性がいい。

学校ものってやっぱ素晴らしい。純粋に人を好きになることとか、エロティシズムとか、暴力衝動とか、もっとしょうもないこととか、人生の無情さとその匂いが映像に詰め込まれている。そういうものが簡単に受け入れられずに、社会が複雑になり過ぎていて、心がめちゃくちゃになって抑えられなくなる。これが青春であって、台風でもあって。

これは、日本の学校ものだから撮影できるのでは?洋画じゃこの心情は上手く写せない。儚くて、脆くて、衝動的で、どうにもできない心の模様は、邦画だからこそ描写できる。「おかえり、お帰りなさい、ただいま」を無表情で連呼する少年…何よりも怖い。どうだろう。この手の少年/少女の生々しい描写の映画は今放映可能だろうか???ここに人間の心理が描かれているのだけれど、今だと倫理に引っかかるかもしれない。そもそも少女達の下着姿がNGかもしれん。まーそれ以上だし、パンフォーカスでも多分無理だわ。

なんか次のシーンになったら、さっきまでのホラーが解消される。いやぁ〜この感覚も現代にはない。さっきまで争ってたのに、それはもう引きづらないのか…。こんなストーリー展開は作らないよなぁ…。昔ってやっぱりもっとさっぱりしてたのかなぁ…。というか、主題は思春期のモラトリアムではないような気もする。

カットバックで物語が進行していく。台風で帰れなくなる学校の中と、家出した少女の物語が同時進行で進む。冒頭もそうだけど、少年少女達が踊るだけのシーンってなんかいいなぁ。白塗りの人が出てきて、寺山修司の教えがちゃんと映像に現れている。やっぱこの時代の日本って変だ。

最後いきなり哲学的になったなぁ…。と思ったら、両足だけ飛び出ている演出が滑稽で。なんとも緊迫感があるのか、脱力感があるのか…。なんと言えばいいのか。

評価:★★★★☆

余談

三浦友和の撮影秘話が面白い。「民宿みたいなところで泊まって撮影して、現場に撮影機材も用意されてなかった…」「全然面白い台本だと思わなかった」

この動画で、三浦友和がすげえいいこと言ってる。11:40くらいから。

「今の30代、40代ですごくいいって言われている監督いますけど、絵にこだわっているんですね。そこにすごくこだわるんですよ。1枚の絵が完成すればOKっていうね。でも、そんなところには何も映ってないんだよ、ってことに気づいて欲しいと思っていて…そういうことに気づく人は、みんな相米監督の映画を見ているんですよ。…どんなアクションでも、恋愛映画でも、1番大事なのは人間が映っているってことなんですね。」

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